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ぼくらのクローゼット

埋もれている価値観の中から新しい楽しみと
生き方をいっしょに見つけていくメディア

春です。巡る季節の中で。

~学ぶ~ ~生きる~ 坂口典和さん

もう3月も終わりで恐縮ですが、3月に入り6日前後の啓蟄(けいちつ)の頃になると身体がそわそわしてきます。
啓蟄(けいちつ)というのは、冬眠していた虫たちが穴から出てくる頃の意味ですが、まだまだ寒く、実際に虫を見かけるのはもう少し後。
ただ、畑の準備ができ次第、ジャガイモを植えるのもこの頃からです。

その後、更に暖かくなり春分(これはみなさん、ご存知ですよね)の頃になると、いよいよ春です。虫を見かけるようになり、
スミレやショウジョウバカマ、ミツマタの花を見かけると(それぞれに写真をお見せできればよいのですが)、
いろいろなタネを蒔く季節の到来です。

つい先日、たくさんの野菜のタネを蒔きました。

・ニンジン
・ゴボウ
・ネギ
・玉ねぎ(12月収穫)
・小松菜
・ホウレン草
・コカブ
・ルッコラ
・ラディッシュ
・春大根

もう乱れ蒔きと言ってよいかもしれません。
雨降りの予報があれば、畝立て(うねたて。整地だと思ってください)をして、その後、手押しの簡単な機械(器具?)を使ってひたすらにタネを蒔いてゆきます。
まだ、夜は寒いので、タネを蒔いた後に布のようなものをばさっと掛けて保温に努め、雨に強くたたかれすぎないようにしてやります。
幅1.5mくらいで、長さは200m巻のものを買ってきて、畑の長さに合わせて切って使用します。

以前に一度だけこの布のようなものにとんでもないことが起こったことがあります。


ある日、いつものように畑を見て回っていると、前方の山に何か白い布のようなものが高い木に引っ掛かってひらひらと風になびいていました。
一瞬「ん?」と思うも、特別気にかけるでもなく再び畑へ目を移し、それから暫くすると、「。。。ん?やっぱり、なんかおかしい。あ、布が一つ畝の上にない!」ということに気づきました。

とにかく、前方の木の上でひらひらしているものを確認しに行こうということで、線路を渡り、更に国道を越えて山に入ってゆきました。

木の上のひらひらは、やはりうちの畑の布でした。

「ふ~ん、やっぱり。。。ええっ!?!」

そうです、うちの畑にあった幅1.5長さ30mの白い布は風に吹き上げられ、すぐ隣のJRの線路をひらひらと越え、そして、そのすぐ横の国道をもひらひらと
飛んでいってしまったのです。
少し後になって合点がいったのですが、ただの風ではなく、小さいながらも竜巻だったのではないかと。

これまでこの辺りでは軽自動車が空中に吹き上げられ何メートルか飛ばされたりしたことがあったので、竜巻にちがいありません。

30メートルもの布がひらひらと飛んで行く情景を思い浮かべながらも、背筋が凍るほどの恐怖心に包まれました。

「うちの畑の布がもしJRの架線に引っかかっていたなら。。。」
「もし、国道の上に落ちていたなら。。。」

想像するだけでもぞっとします。


もう一つぞっとしたことがあります。


何年か前にビニールハウスの中を手押しの機械(耕運機)でバックしながら耕していたところ、乾燥で土が固くなっていたのか、
急に機械が滑るように走りだし、ちょうど開けてあった扉を抜けて、約2.5メートル下(石垣の上にビニールハウスがありました)に
落下したのです。あまりに急で一瞬の出来事だったので機械をもったまま落ちました。

自分は運よくアジサイの上に背中から落ち、アジサイがクッションになってくれたのか全く無傷で、
ふと目をやると隣りに機械がころがっていました。

「もしアジサイがなく地面に背中から落ちていたら。。。」
「機械がもし、自分の上に落ちてきていたら。。。」


死んでいたかもしれない出来事でしたが、アジサイにうまく助けてもらいました。
もともと緑のものが好きでしたが、これを境にますます野菜や野の草花や木を愛でるようになりました。
なにしろ、命の恩人(恩緑?)ですから。。。

 

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